1.土地管轄→【乗り込みの原則】
★民事訴訟法第4条【普通裁判籍による管轄】
1号: 訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
　　2号から6号まで省略
※【乗り込みの原則】
　民事訴訟では『被告つまり相手方の住所地に乗り込んで訴える』のが大原則です。
2.特則→【不法行為地】
★民事訴訟法第5条【財産上の訴え等についての管轄】
　次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。
　9号: 不法行為に関する訴え　不法行為があった地
　　その他は省略
※不法行為訴訟の特則です。原告は被告の住所地、もしくは不法行為のあった地の裁判所に訴えを提起する事ができます。
　国賠裁判も所詮は不法行為訴訟でしかありませんから、以上のような土地管轄となります。
　岡川事件を例に当てはめて考えてみましょう。
a.検察=国を訴える場合は東京と大分県のどちらの裁判所にも、訴えを提起することができます。
b.大分県警=大分県を訴える場合は大分県の裁判所に訴える。
　大分県と国の双方を被告として訴えの提起を行なうには大分県の裁判所に提起するのが便宜でしょう。
3.事物管轄→【訴訟物の価額による管轄】
　簡易裁判所のラウンドテーブル法廷で、茶番の裁判などやられてはたまりませんから、たとえば『一億円を下回らない慰藉料が相当と思料されるが、その一部である金150万円を支払え』と訴えを提起すると良いでしょう(値上げされた裁判手数料の節減)。
　ちなみに消滅時効など援用してきたら、公権力が自らの違法行為の賠償責任の消滅時効を援用するなど、『権利の濫用で許されない』と陳述すると良いと思います(20年の除斥期間との相違点)。
4.なお【応訴管轄・合意管轄】については考慮の必要はないでしょう。
　しかし、国賠訴訟も公務員個人の不法行為責任を排除するものではなく、併存するものです。
　氏名が明らかな公務員については【相被告】として連帯させる構成も可能です(11.ブロックの私の取下げした訴状を参考にして下さい)。
　行方を眩ました公務員には次の【公示送達制度】を利用すると良いでしょう。
※ファイルは【消滅時効】と【除斥期間】の異同に関するものです。